Wonderland Akitania
(極私的秋田観光案内)

 

  このページは極私的にAkitaniaを紹介するページです。いわゆる観光案内とはちがいますので、必ずしも観光地が登場するとは限りません。「妄想あるいは小説のページ」や「ウェイト・トレーニングのページ」とも何らかの関連がある場所が登場します。なお、このページで言うAkitaniaとは秋田県を中心とした地域を言い、厳密に秋田県のことを指しているのではありません。
  ありきたりの観光地に飽きた方、地元の人間でないと分からないようなことを知りたい方、へそ曲がりの方、そう、あなたのためのページです。

第3日 番外編 竿灯

  本ページは本来ありきたりの観光案内を目的としていない。したがって、東北三大夏祭りの一つである竿灯などとりあげるものではない。今回は特別である。なぜ特別なのかというと「World Games 2001 AKITA情報」との連携を考えてのことである。

    


  竿灯祭りは8月4日から7日までの4日間行われる。昔は3日間であったのだが、それ、どこもかしこも観光産業とやらで1日延長されたのである。
  山王大通りのうち山王十字路から旭川までを「竿灯大通」と改称して、そこで行われている。昔は広小路方面で行われており、提灯の光がお堀に映ってきれいだったそうだが、私は記憶にない。さらにもっと前は通町(とおりまち)で行われていたらしい。
  竿灯はご存知の方も多いと思うが、竹竿に提灯をたくさんつけてそれを手、肩、頭、腰などで差し上げる技量を競う祭りである。独特の囃子(横笛と太鼓)、掛け声(どっこいしょー、どっこいしょ)がある。観光としては見るだけである。何しろしょっちゅう倒れるのでそれなりに見所はあるのだが、カタルシス、エクスタシーという点では残念ながら青森ねぶたに敵わない。
  祭りは夜に行われるが、妙技会と呼ばれる競技会があって、これは昼に行われる。去年までは中土橋(千秋公園の中)が会場だったが、今年から竿灯発祥の地、通町で行われることになった。通町は近年再開発が行われた商店街できれいな町並みだが、夜の終いが早くゴーストタウンのようになってしまう。


  竿灯はさして(竿灯の演技をする人、演技をすることを「竿灯を上げる」という)、囃子ともに技量が必要であり、かなりの練習がいる。そのため演技をする集団が決まっていて、これを竿灯会という。竿灯会は町内ごとにつくる町内竿灯と企業ごとにつくる企業竿灯があり、もちろん本家本元は町内竿灯である。過激な技も町内竿灯のものである。企業竿灯は地元企業の他、県庁、大企業の秋田支社、自衛隊などもある。また、小・中学校の竿灯会もある。
  このごろは6時半から交通規制が始まり、7時半ごろから祭りが始まる。演技の場所は竿灯会ごとに決まっていて、何回か中断して場所を移動する。8時半過ぎに演技は終了して、その後ふれあいの時間になる。竿灯は車道で演技を行い、見るほうは中央分離帯に作られたひな壇か、歩道から見る。あるいは周囲のビルから見る。基本的に演技の間車道に入ってはいけない(危ない)。クライマックスは2度あって一つは最初、一斉に竿灯が上がる瞬間であり、もう一つはひときわ大きく囃子が盛り上がる祭りの最後である。
  演技が終わると10分ほどのふれあいの時間になる。これは竿灯会と観光客の交流のために設けられている時間で、この時間は観光客が自由に車道に入り竿灯にさわったり、いっしょに写真を撮ったりできる。それが終わると祭りは解散で、潮が引くように一気に人がいなくなってしまう。おおむね9時半には「竿灯大通」が「山王大通」に戻る。ただしそれは観光客にとっての話であって、竿灯会はその後延々と飲み方が続くのである。そしてこれが4日間続く。
  竿灯ははじめ短い状態のを立てておいて、次々に竹竿を継ぎ足していく。上げているさしての後ろから次のさしてが継ぎ足す竹竿を持って近づき、竿を継ぎ足して竿灯を受け取る。竿灯を渡した後、前のさしては前方向に脱出する。完全な長さになった後でも受け渡しの方法は同じで、必ず次のさしては背後から近づき、渡した後のさしては前に抜ける。


  いろいろな技があるが、基本は片手で差し上げるものである。他に額に載せる、肩に載せる、腰に載せるなどがある。過激な技になると、下あごの前歯の上に載せる、一枚歯の下駄を履いて上げる、上げているさしての肩の上に子供が乗って踊る、などというのまである。また、2本の竿灯を接近させて背中合わせに上の方を交差させるのも、二人のさして双方に高度な技術が要求される技である。

 

  来年見に来られるなら、会場両端(山王十字路、旭川近辺)は殺人的な混雑になるので避けた方が良い。竿灯大通の途中にある交差点(例えば三井アーバンホテルがある交差点)から入った方がスムーズに前に進める。ひな壇もお勧めだが有料であり、また一旦入ったらふれあいの時間まで出られなくなるので、小便が近い人は避けた方がいいかも。また、この時期は日本海の岩ガキが旬なので、象潟(バックナンバー「十六羅漢」参照)まで足を伸ばしてみるのもいいだろう。

関連ページ
World Games 2001 AKITA情報

2000年8月12日

バックナンバー

辰子ちゃん家

十六羅漢

   

 

HOME