2005年7月16日 曙光

  7月4日月曜日、いつもは胸とバイセップスを同じ日にやっているが、三角筋の筋肉痛が引かなかったために、バイセップスは土曜日、胸は翌週の月曜日と分割して、その翌週の月曜日のことだ。先月から発生した右肩の痛みは治療の甲斐もあってほぼ沈静化していた。原因はバーベルで行うベンチ・プレス、中でもインクラインだと見定めて、前回の胸のトレーニングはダンベルとケーブルのみにして、この状態に漕ぎ着けたのである。だから、この日もダンベル・インクライン・ベンチ・プレスからスタートした。アップの2セット目20kg、最初のレップで右肩で何か裂けるような感覚があった。フォームを修正しながら10レップスやって、セットを終了したら、おなじみの引っ張られるような強烈な張り、動かしたときの痛みである。だた、始めてしまったら最後まで行くしかない。この日は予定通り胸のトレーニングをこなすつもりで、なおかつ、何をどうしたら出来るのか、何はやってはいけないのか探るつもりで、フラット・ベンチ・ダンベル・フライ、フラット・ダンベル・ベンチ・プレスとやったが、ケーブル・クロス・オーバーが激痛でできない。胸は私の欠点で、胸のトレーニングは効きを実感できないことが多い。現在までのところもっとも効きを実感できるのがケーブル・クロス・オーバーである。それが、まったくできなくなった。これは参ったと思いながら家に帰った。翌日、それどころでは無いことが判明した。
 朝起きたら、右の首から僧坊筋にかけて石膏で固めたように張っている。何とかほぐそうとストレッチをしようとするが、右肩の痛みのためにそれもできない。思うように首が動かせないので、横断歩道で左右の安全確認が難しい。身体ごと右向け右、左向け左だ。会社で書類に日付印を押したところ、右肩に激痛が走って日付印を落としてしまった。あ〜、あ〜、あ〜、あ〜、どうすんねん?
 肩の痛みは長年の悪友であるが、今回の痛みは新顔である。こういう痛さは初めてだ。ただ、腫上がったりしないところを見ると、内部で何かが壊れたと言うことではあるまい。おそらく、滑液胞の炎症が酷くなったということなのだろう。それにしても、程度が酷い。これでは上半身のトレーニングはまったくできまい。大腿も、バーベルを担ぐスクワットはもちろん、レッグ・エクステンションやレッグ・プレスも身体を支えるためハンドルを握るので、ヘビー・ウェイトになると難しいだろう。スティッフ・レッグド・デッド・リフトは言わずもがな、無理だろう。
 とりあえず火、水、木の3日間オフにしてタニングに専念することにしたが、これがまたつらいつらい。なにしろ、首から僧坊筋にかけてのこわばりが取れないまま万歳して立っていなければならない。それでも、3日間で痛みは軽減している感じである。金曜日、恐る恐るスクワットをしてみたが、問題なく出来る。スティッフ・レッグド・デッド・リフトも問題ない。そこで、次なる焦点は翌日の肩・三頭が出来るかだ。
 そこで、痛みの発生するパターンを分析した。まず、肩が上がっている、すなわち、シュラッグのフィニッシュの姿勢では痛みがないが、逆に肩を下に強く意識して下ろすと痛い。したがって、上部僧坊筋を突出させて両手でとるマスキュラー・ポーズなどは激痛でできない。それから、ラット・スプレッドもかなり痛い。つまり、肩が前に出ると痛い。逆に肩甲骨を寄せるのは、張りは感じるが痛みは無い。ダブル・バイセップスで背中を広げる、すなわち腕を挙げた状態で肩甲骨を開くのは、通常の痛み(この動作では、私は怪我がなくても少し痛みがある)を感じるだけだ。さらに、肩甲骨を寄せた状態で腕を前方に突き出すと、かなり痛い。つまり、プレ・ストレッチを作った状態で胸のプレスは出来ないと言うことであり、かつ、肩をすぼめると痛いのだから、フロント・レイズも出来ない。
 翌日、肩のトレーニングはシーテッド・ダンベル・プレスから始めた。なぜダンベルかと言えば、肩の痛い人ならお分かりかと思うが、遊びがある方が痛みが少ないからである。逆にスミス・マシンは最悪の選択になる。続いて、フロント・レイズはできないので、サイド・レイズ。最後にベンド・オーバー・サイド・レイズだが、これは痛くてできなかった。ポジティブ動作はいいのだが、ネガティブで腕が下がる(前に出る)と痛い。代わりに、フィニッシュ時点近くに稼動範囲を限定し、コントラクトだけを得るワン・ハンド・ケーブル・リア・レイズにした。三頭のほうはケーブルを使えば大概大丈夫のようだ。
 肩の次は背中であるが、これは、痛いには痛いが、懸念するほどではない。このままの状態でいけるなら、従前どおりのトレーニングができるだろう。その次はカーフと腹筋だから、マシンを使ったスタンディング・カーフ・レイズはできない(直接肩に重量がかかるため)が、問題は無い。最後の焦点は胸である。
 胸に関して整理すると、はじめはバーベルのベンチ・プレス、中でもインクラインが犯人だと思った。しかし、後になってプレ・ストレッチを作った状態で腕を伸ばすと肩関節が伸長され、痛みが出ると分かった。バーベル自体が原因ではないのかもしれない(バーベルの方がダンベルより遊びが少ないので、通常こちらの方が肩には負担がかかりやすい、というか負担のないフォームを探しづらい)。というわけで、まずはフラット・バーベル・ベンチ・プレスからやってみる。プレ・ストレッチはやはりダメだ。10kgのバーを使ってみたが、その時点でもうダメだ。プレ・ストレッチを作らず、ネガティブを思いっきりスローにしてやれば、すくなくとも50kgまではできた。ネガティブが超スローだから、この重量でも少しはストレスがかかる感じがしたが、今後増やしていこう。次にインクライン・バーベル・ベンチ・プレスだが、20kgのバーだけの1レップ目でもうダメだ。プレ・ストレッチとかなんとか以前の問題だ。コイツが犯人だと言う認識に間違いはなかったようだ。これはやめよう。インクライン・ダンベル・フライはどうだ?肘が床と平行の位置までしか下ろさないことを条件にできそうだ。下ろしたときに親指側を寄せてハの字を作り、ひねりを加えることで効果を増そう。インクライン・ダンベル・プレスは、プレ・ストレッチは不可だがネガティブをゆっくりやればかなり深く下ろせる。下ろしたときにダンベルが開かないように注意すれば、プレ・ストレッチなしでもそれなりに効くようだ。セットの最初と最後には要注意だ。ダンベルが身体から離れると危険だ。フラット・ベンチ・ダンベル・フライは、むしろ少し肩甲骨を寄せてやる方が痛みが少ないようだ。ハの字で効かせることはインクラインと同じだが、肘を深く曲げて、肘でリードするように下ろすと良いようだ。ネガティブはゆっくり、ポジティブは早くすると良い。ついでに言うと、バーベル・カールは下ろしたときの最後で痛みがある。
 これなら、胸のトレーニングも続けられそうだ。ヘビー・ウェイトが扱えないから(もともと扱えないけれど)、筋量が減るのは仕方ないが、まったくやらずにペッタンコになってしまうことは免れそうだ。曙光が見えてきたように感じる。出場申し込みもしたし、「後は勝つと信じてやるだけ」という気分に少しずつ向かっていけそうだ。