2002年9月23日 ジャパン・オープン(2)

  本日は女子の部です。

  女子の部はエントリー12名で、うち2名が欠場した。欠場したうちの一人が優勝候補の佐々木景子選手であった。参加10名でピックアップを行い2名を振り落としている。ピックアップが必要か?規程でそうなっていると言うことであろうが、意味が無いように思う。12名までは全員クォリファイで良いじゃないか。
  まず、名前だけを見て、井上裕子選手、大橋洋子選手、佐々木亜紀選手といったところがトップ争い、それに関谷友加里選手と辻紀子選手がどこまで迫れるか、と思った。クォリファイは8名なので、ファーストコール4人、次いで呼ばれなかった4人ということで、この時点で上位と下位の見当がついてしまう。ファーストコールは井上選手、関谷選手、大橋選手、辻選手の4人で、このうち、井上選手だけ別格だと思った。ラインナップの段階で既に優勝と思っていたが、比較になっても付け入るスキもなさそうだった。そして、2位には大橋選手、3位が辻選手、ただし関谷選手といい勝負、と見た。
  続いての4人のなかでは佐々木選手が少し抜けているかなと思った。丸山佳代子選手は長身で、まだバルクが足りない印象、菅原佳代子選手は逆に背が低くスケール的に見劣りしてしまうかも。で、6位には大林令子選手が来る、というのが私の見立てであった。
  フリーポーズでは、大橋選手が特徴を出していた。中国拳法の動き、曲もその風合いのあるもの。関谷選手と佐々木選手、それに丸山選手はいかにも楽しそうに見えた。コンテストを楽しんでいる。見ているほうも楽しくなる、というわけで、これは大切なことだ。コンテストは戦いの場ではあるが、楽しまなければウソだと思う。楽しそうに見えなければ、そのスポーツの人気も上がらない。コンテストは楽しいものであって欲しいと、切に、切に願うものである。

Result
1位 井上裕子選手
2位 関谷友加里選手
3位 大橋洋子選手
4位 辻紀子選手
5位 大林令子選手
6位 佐々木亜紀選手
7位 菅原佳代子選手
8位 丸山佳代子選手

  私の見立てとは若干違う結果であった。大橋選手の3位には少し驚いたが、そもそも8人で比較が2組はっきり分けられたので、結果に会場からあからさまな不満のリアクションは無かったように思う。2位のコール直後の井上選手のなんともいえない笑顔(うれしいような、恥ずかしいような、戸惑ったような)が印象に残った。
  今、スコアシートを見ると、私はダントツだと思ったが、井上選手はフル・マークではなかった。予選では2人の審査員が4位の評価をつけている。また、大橋選手の評価が全般に低いのも意外である。女子の評価基準が定まっていないことが影響しているのではないかと思う。例の「女らしい」という言葉をどうとるかによって、大きく評価が変わってしまうのである。私はあくまでもボディビルダーは筋肉を競うもので、女性と言えどもそれを第一に見るべきと考えている。「マスキュラーに過ぎる」というのは、日本人の場合(ドラッグ・フリーの場合と言ってもいいかも)、バルクに原因があるのではなく仕上げに原因があるのだと思う。女性であっても上半身のVシェイプは美しいものだと思うが、あれは筋肉でしか作れない(もちろん、骨格的に作りやすい人と作りにくい人がいるが)。男性のような6パックを作るのは、あるいは過剰であると言えるかもしれない。しかし、広がる広背筋、丸みのある大腿(コンテストシェイプまで絞っている状態での)は筋肉でないと作れない。
  いずれにしても、審査基準に揺れがあると選手はやりづらい。一方で、ボディビルはあくまで見た目で競う競技なので、ある程度の曖昧さが付きまとうのも事実である。女子の評価基準は世界的にも定まっていないが、ドラッグ・フリーの大会ならば、マスキュラー過ぎる選手はそもそもいないのではないか?仕上がりが厳しすぎると一般的にはそう見えてしまうし、また、実際女性の方が厳しく仕上げることによる身体的負担が大きいだろう。かといって、ではどの程度が良いかなどと決めようも無い。決められなければ選手が振り回される。しかし、ボディビルにはある程度の曖昧さが・・・これは、難しいなあ。

付け足し
  今回いろいろなカテゴリーの大会が同時開催され、そういう場合いつもそうであるように重複出場した選手がいた。東北北海道とジャパン・オープンに重複はいいが、マスターズと一般に重複というのは、ちょっと違うような気がする。何のために年齢制限のあるカテゴリーがあるのか。
  そして、ひょっとしたら選手の意志に反して重複出場を求められたのかもしれないが、重複出場してフリーポーズのルティンが同じというのも、なんだかなあ。この点は選手も考えて欲しい。フリーのルティンは違うものにしょうよ、見に来てくれたお客さんのために。